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ソト遊びと子供の成長

ソト遊びと子供の成長

私たちは子供たちの未来を今よりもずっと明るくできると信じています。また、子供たちには変化の激しいこれからの社会に対応できる「生きる力」を育んでもらうことが、何よりも大切だと思っています。「生きる力」を身に付けるために必要かつ重要なプロセスでありながら、見落とされがちなもの、それは「外遊び」です。往々にして「学力向上」が重視され、「外遊び」は二の次にされているのが実情ではないでしょうか?しかし、「生きる力」の根底である「豊かな人間性」を培う(つちかう)ためには、幼少期からの「外遊び」を通して「自然に触れあい、自然を知り、自然への接し方を見出す」ことが肝要です。

この歴然たる事実は古くから多くの学者に研究されてきたテーマでもあります。
例えば、幼稚園の創始者フレーベルは次のように語っています。
「幼児期の遊びは未来の全生活の子葉である」
「子どもの創造的な活動衝動を育てることこそが教育の出発点」
*フレーベルの著書『人間の教育』より
ここでは「外遊び」と子供の成長、特に「生きる力」の獲得についてお話します。

「学習指導要領」と「生きる力」

今世紀初めから「生きる力」が文部科学省告示「学習指導要領(初等教育及び中等教育における教育課程の基準)」に掲げられるようになりました。まず「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」という諮問に対し、1996年中央教育審議会(中教審)第一次答申の中では次のように述べられました。

「我々はこれからの子供たちに必要となるのは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性であると考えた。たくましく生きるための健康や体力が不可欠であることは言うまでもない。 「我々は、こうした資質や能力を、変化の激しいこれからの社会を[生きる力]と称することとし、これらをバランスよくはぐくんでいくことが重要であると考えた。(諮問「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」の中央教育審議会第一次答申より)」

上記のような理念を受けて、その後の学習指導要領の改訂時に総合的な学習の時間が創設されました。2002年以降実施の学習指導要領では「ゆとりの中での特色のある教育によって[生きる力]をはぐくむ」という方針が掲げられ、2011年以降では「ゆとりでも詰め込みでもなく[生きる力]をより一層はぐくむ」という方針で引き継がれています。

そして新しい学習指導要領(小学校は2020年度、中学校は2021年度、高等学校は2022年度から開始)では、「生きる力」を育むために「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の視点が重視されています。言い換えれば「子供たちがより積極的に自然に関わる」=「外遊び」をすることで、「自分なりに問題を見出し、回答を導き出せる」深い学びの視点を持てるか?というポイントまで踏み込んで指摘されています。学習指導要領では「生きる力」を育むという課題が、2002年の登場以来、少なくとも次に改正が予定されている2030年までの約30年は引き継がれることになったわけです。

「生きる力」を育む「外遊び」と「教育現場」

ソト遊びと子供の成長

「生きる力」を育む土台として「遊び」の重要さが説かれています。例を一つ挙げてみますと、文部科学省が策定した「幼児期運動指針」の中に「幼児にとって体を動かして遊ぶ機会が減少することは、その後の児童期、青年期への運動やスポーツに親しむ資質や能力の育成の阻害に止まらず、意欲や気力の減弱、対人関係などコミュニケーションをうまく構築できないなど、子どもの心の発達にも重大な影響を及ぼすことにもなりかねない」と明記されています。

また幼稚園の先生や保育士さんの教科書にもあたる「幼児期運動指針ガイドブック」でも「多様な動きを含む遊びの経験が少なくなっている」・「体を動かして遊ぶ時間や環境が少なくなっている」現状が問題点として取り上げられています。またガイドブックの冒頭には「幼児は様々な遊びを中心に、毎日、合計60 分以上、楽しく体を動かすことが大切です!」と大きく記載されています。この指針に沿って「幼稚園」「保育園」段階では、「外遊び」の質・量を確保する努力がなされています。

ところが、小学生になると状況がガラリと変わります。幼児期に比べて国語・算数・英語など学ばねばならない科目が増加していきます。そのしわ寄せで「外遊び」の時間はどんどん確保が難しくなっていきます。これは教育現場でも問題視されており、「学習指導要領」に関わる教師用指導資料「小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック」には、課題として「運動する子どもとそうでない子どもの二極化が見られること」・「子どもの体力の低下傾向が依然深刻であること」が指摘されています。「外遊び」時間の低下、これが改めて指摘されること自体が、問題の難しさを浮き彫りにしています。

幼稚園では「生きる力」獲得のため、心の発達には「体を動かして遊ぶ」ことが重要であると繰り返し力説されています。しかしながら小学校では既に「運動不足」=「外遊び不足」に陥っているわけです。さらに外遊び不足の問題は年齢が上がれば上がるほど顕著になっていきます。

「生きる力」を育む「外遊び」と「家庭」

どうやら学校に任せておくだけでは、小学生の「外遊び」(「生きる力」獲得の大前提)を確保するのは難しそうです。それでは「家庭」では確保できているのでしょうか?これもなかなか難しそうですね。一つには、意識の問題がありそうです。現代社会は科学技術の発展により、生活が便利になっています。生活全体が便利になった一方で、歩くことをはじめ体を動かす機会は減少しました。さらに一般的な生活をするためだけであれば、必ずしも高い体力や多くの運動量を必要としなくなっています。そうした大人の意識は、子どもが体を動かす遊びをはじめとする身体活動の軽視につながり、「外遊び」がおろそかにされる背景になっているかもしれません。

二つ目には時間の問題があるでしょうか。「家庭」の形もどんどん変化しています。仕事で帰りが遅くなる両親、塾通いで帰宅後に遊ぶ時間が取れない子供たち、夕食時間のすれ違いによる個食…。ゆっくりと子供の話を聞く時間を確保しづらいかもしれません。

だからこそ子どもたちと一緒に「外遊び」をしてほしいと私たちは考えています。もちろん仕事も学校も大切なことは言うまでもありません。あえて、その忙しい中で「外遊び」の時間を作れる「家庭」。それが子供たちにとって心から自慢できる「家庭」なのではないでしょうか?「外遊び」=「幼児の公園遊び」だけではありません。前述の通り、小学校高学年の児童にも「外遊び」はとても大切です。最低でも月1回、家族全員で「外遊び」をする休日が取れたら「生きる力」を育める「家庭」になっていけるのではないでしょうか?

「外遊び」と「年齢」

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さて「外遊び」をする際に、少しだけ気にかけて頂きたいポイントがあります。人間は長い時間をかけて成長します。一人ではなにもできない赤ちゃんから一人で困難に立ち向かう大人になるまで、いくつもの過程を経て発達を遂げていきます。個人差はありますが成長(年齢)に応じた段階があり、その都度得るものが変化していきます。子供たちを見守り、育てるにあたって与えるアドバイスにも少しだけコツがあります。子供たちがグングン育ってくれるヒントとして押さえておかれても良いでしょう。

1・幼年期〜小学校低学年(1・2年生)

「外遊び」は自然とのふれあいを意味します。子供たちは自然とふれあう中で草のにおいをかいだり、木に登ったり、泥んこ遊びで土に触れたり、水の流れを感じたり・・・五感をフル動員するプリミティブな「原体験」を積み重ねていきます。

「原体験」は学力の基礎・土台となる探究心や感性を高め、人格形成に大きな影響を及ぼすものですし、特に「8歳までの原体験の積み重ねは大脳活動の発達に影響がある」との研究結果もあり、体の発達以上に心の発達にも関係しています。「外遊び」を通じて、どんどん新しい体験をさせたい時期です。

また低学年は思考と活動が、まだまだ未分化の時期です。「動くこと」と「考えること」が同時進行しています。「考えてから動く」ことがまだ少し難しい年齢ですね。まずは「自由に体を動かせる」ことが楽しいと思えるように見守ってあげてください。

2・小学校中学年(3・4年生)

いわゆる「ギャングエイジ」世代です。自我が強く芽生え、友達との関係も深まっていく時期です。集団で遊ぶ中で「自分と他人とは違う」シーンがどんどん出てきます。
他人はできるのに自分はできないという場面に遭遇します。

⇒自分だけできないとからかわれたり馬鹿にされたりすることも出てきます。

⇒お母さんに助けを求めても仕方ありません。自分で解決するしかないのです。

⇒頑張って練習したらできるようになり、仲間にも認めてもらえます。

失敗と克服を繰り返し経験する中で「「あきらめないで最後まで努力すれば必ずできる」というポリシーを身に付けていきます。その後の人生にとっても最も大切な信条を会得する時期です。 「外遊び」の中では数え切れない課題に遭遇します。チャレンジする機会をどんどん与えて下さい。そして努力する子供たちを思いっきりほめてあげてください。

3・小学校中学年(5・6年生)

ある程度物事について距離をおいて考え、理解できるようになる年代です。活動する集団が大きくなるにしたがって、ルールを守り、役割を理解して責任を果たそうと考えるようになります。自分のことを客観的に捉えられるようになり、自己肯定感をもったり、逆に劣等感を持ったりもします。難しい世代の入り口にもあたりますね。

気を付けてあげたいポイントは、「自発的に課題に取り組める環境を作ること」と「課題解決のために工夫すること」をアドバイスすることです。 課題が難しくなってくると同じ方法を反復・継続するだけでは乗り越えられなくなってきます。その中で「失敗しても何度も取り組みたい、やり続けたい」という自己肯定感を是非身に付けてほしい時期にあたります。 「自己の最善を尽くして取り組む」態度を育てることも大切にしてあげてください。

「まとめ」

変化の激しい社会、未来の予測が困難な時代です。その中で、子供たちには変化を前向きに受け止めてほしいと思います。ヒトであるからこその感性を働かせ、人生や社会を豊かなものにしてほしいと思っています。 家族での「外遊び」の中で、お父さん・お母さんも分からないことにたくさんぶつかってみましょう。そんなときにお父さん・お母さんがどう取り組むのか、その姿勢を是非見せてあげて下さい。大人でも困難にぶつかること、そのときに真摯に向き合う姿を見せること、それが本物の生きた教材になります。

きっと子供たちは「よし、自分も頑張ろう」と考えるようになっていきます。その後の人生で試練にぶつかったとき、必ずこの経験が生きてきます。 さあ、次の休日は子供たちと一緒に「外遊び」を楽しみませんか?ほんの少しでもお力になれるように、当店の「遊びの達人」スタッフたちが世界中から厳選した「親子一緒に楽しく遊べるアイテム」をご用意しています。そして子供たちとの「外遊び」を通して、楽しい思い出をたくさんたくさん作って頂きたいと願っています。